27年春サシバとともに

激しい耳鳴りや腰痛に苦しめられて、もうサシバ観察が出来ないのではないかと、不安であったが、ともかく今年もフィールドに戻ってくることができたのは、喜ばしいことである。 啓蟄(3月5日頃)が過ぎて、庭の福寿草の花が咲き、鎌倉山のコブシの花が咲き終わる頃、例年サシバ初認の知らせがはいってくる。もっとも3月中旬はまだ寒い日が多く本格的な観察は3月下旬、桜のつぼみがふくらみだす頃にになるのが、私の例年のパターンである。
最近ネットで見るかぎり、タカの渡りについての、情報が質量ともに増えているようだ。世界で渡りをするタカといえばコンドルやアメリカ大陸を渡るタカなどが有名であるが、欧州からアフリカに渡るタカ、中近東からアフリカに渡るタカなどその生態が徐々に明らかにされつつあるようだ。昨年の11月2日中米のパナマでたった一日で200万羽を越えるタカの渡りが見られたという情報には驚くのみだ。
因みに北米大陸の面積は24,490,000平方kmで、日本の面積はその1.5%程度にすぎない。日本で一日に見られたタカの数の最高記録は何万羽なのだろうか?サシバだけに限定したらどうなのだろうか?
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=TdbhYjaSO4I
私が毎春みているサシバはどこから飛んできて、どこへ向 っているのか?私が認識しているのは、台湾よりも南西のどこかの国・地点から飛んできて、そして東北の太平洋岸よりもっと近い、千葉、茨城、伊豆七島あたりに向っているのでは?という漠然としたものにすぎない。 今春は数はゼロ以外、どうでも良いが、なにか新しい発見、サプライズに出会って見たいものである。
私にとって西丹沢方面のサシバ、赤い鳥等の主たる情報源であった、丹沢湖ビジターセンターが3月一杯で閉鎖されるとのこと、とても残念なことである。
3月12日
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3月14日(土) 薄曇
10:00−11:00 笛田公園。
この時点で観察を開始しているポイントは徳島、広島、岐阜のみであり、サシバはまだどこもカウントしていない。しかしこんな状況下で例年神奈川県でサシバが観察されている。これはハルサシの七不思議のうちの一つだと私は思う。パソコン通信の時代から、サシバに関心を持つ人は、圧倒的に西日本が多かったが、これらの人びとの目をすりぬけてサシバはどうやって鎌倉にやってくるのだろうか?この日は、そんなことを考えながら、観察したが、収穫はなかった。 3月17日(火) 晴
10:00−11:00 笛田公園
ほぼ無風で、絶好のサシバ日和であった。こんな条件であれば、サシバは間違いなく、鎌倉から丹沢に至る、どこかの場所を飛んでいる筈だと確信したい。北風がもう少し強ければ鎌倉を通過する可能性が高いし、南風が強い日は丹沢の菜の花台等を飛ぶ公算が大である。しかしこの日のように無風であれば、ハルサシがどこを飛ぶのか、予測が難しい。
3月18日(水) 晴
10:00−11:00 笛田公園
前日と同じような条件であったが、多少北風が感じられた。そろそろサシバが鎌倉にやってきそうな、雰囲気ではある。、最近では、何羽のサシバが春笛田公園を通過するのだろうか?その数はそれ程多くはないだろう。当面一日一時間の観察がやっとであるが、サシバは必ず私の樹上にやってくるものと信じている。
3月22日(日) 晴
10:00−11:00 笛田公園
笛田公園では常連のN氏と久しぶりに野鳥情報を交換しながら一緒に観察。この日は風が弱く、サシバ観察には絶好の条件であった。ひょっこりとサシバが現れそうな予感がしたが、結局成果はなかった。日曜の笛田公園は野球やサッカーをする人で込み合っており、ガビチョウやコジュケイの声すら聞こえなかった。


3月23日(月) 晴
9:30−11:00 逗子披露山公園
披露山公園は美しい公園である。サシバ観察という点では、海側に15分程あるいたところにある大崎公園にはるかに及ばないが、それでも春も秋も一定の収穫がえられる可能性の高い場所であり、毎シーズン欠かさずに何度かは通ってきた。ようやく、高知や徳島でサシバの通過が確認されている。この日は湘南でも、そろそろサシバが見られるのではないかと大いに期待していってみたが、ミサゴの華麗なフライトが見られたのみであった。
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鎌倉で春にサシバを観察する上で、関連のある観察ポイントとして、上げられるのは、現状では高知、徳島、静岡の3つだと思う。しかしこれらの3ポイントが鎌倉と完全にリンクしているかといえば、必ずしもそうとは言えないようだ。これら3ポイントの昨年度(2014年)の春の実績を見ると、徳島の鳴門では775羽のサシバが観察されている。内訳は3月に63羽、4月に582羽、5月に130羽である。高知は5403羽も飛んでおり、3月に1525羽、4月に3878羽、5月は観察を実施していない。静岡は3月に38羽、4月に581羽、5月に98羽で合計717羽飛んでいる。このうち高知は秋の観察数が4917羽と春の5403羽を下回っている。
勿論観察地の詳細な状況がわからないまま単純に数字を比較することはできないが、それにしても春の観察数が秋を上回るというのは、驚きである。鳴門は春の775羽に対し秋は2512羽、静岡は717羽に対し、9115羽と春と秋とは大幅な差異が見られる。高知と徳島は四国で隣接した県であるが、なぜサシバはこのように、春と秋のバランスが違うのだろうか?またハルサシは3月、4月だと考えてきたが、4月、5月の方が飛ぶ数が多いのも新発見であった。以前5月に港南台でサシバが相当数観察された実績があるが、鎌倉でも3月より多いサシバが渡っている可能性は排除できない。
こうした分析は過去5年とか10年に渡って実施するのが、望ましいが、馬力がなくて、省略せざるをえなかった。
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3月25日(水) 晴
10:00−11:30 笛田公園。
北風が3m程度、やや寒かった。上空に時々、ノスリ、ハイタカなどが現れ、サシバがやってきそうな雰囲気もあった。しかしこの日もサシバには出会えなかった。
3月26日(木) 晴
10:30−12:00 湘南平展望台
所要でスータートが遅くなったが、快晴で風も弱く、絶好の条件と思われた。ところが、展望台に登ると、猛烈な寒さで、集中して観察ができなかった。予報では徐々に気温が上がるとのことであったが、一向に暖かくならなかった。この日望遠レンズを担いだ人が多かったが、レンジャクの撮影に来た由。結局この日もサシバに出会うことはでず、ミサゴが出現しただけであった。


3月28日(土) 薄曇
10:00−11:30 笛田公園
曇っていたが、空には青空も見られ、南の風も弱く、条件はそれ程悪くはなかった。いつの間にか鎌倉山の桜の一部は満開に近くなっていた。しかし年々本数が減っていくのは寂しいかぎりである。結局この日もサシバには会えなかった。
過去15年の記録を見ると、私が3月中に見たサシバの数は平成21年の14羽が最高である。それ以外は概ね1、2羽、ゼロの年も結構多い。こんな効率の悪い観察を何故何年も続けているのか?サシバを通して見る早春の刻々と変化していく、あの自然の美しさを、かって表現することができた、詩人、作曲家、小説家、写真家がいただろうか?筆舌に尽くし難い美しさが身近に存在するのであれば、それを見にいかない手はないだろう。
3月29日(日) 晴後曇
9:30−11:00 野村総研跡地
昼からは南西風が強くなる予想でチャンスは早朝のみと思われた。笛田公園は駐車場が満杯で、さして期待もせず、野村総研跡地に行ってみた。旧運動場で観察したが、徐々に南西の風が強くなり、空も晴れ間が少なくなってきた。9:58サシバが1羽突然超低空で現れ、真っ直ぐに源氏山方面に消え去った。こんな低く飛ぶサシバを見るのは本当にひさしぶりで、肉眼でも胸の文様がはっきりと見えた。とっさにカメラを取り出したが、あっという間にサシバは消え去り、残念ながらシャッターチャンスが無かった。
そのほか10:25オオタカが上空に現れたが、二羽目のサシバはやってこなかった。


3月30日(月) 晴
9:30−11:00 笛田公園
朝は北風、昼からは南風、これからの時期良くあるパターンである。笛田公園でチャンスがあるのは風の変わり目に、ほぼ無風になる瞬間であると考えられる。それが10:36であったのかは定かではないが、比較的低く、定例コースにサシバが1羽あらわれ、わき目も振らずに住生住宅の方向に飛び去った。
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先日日本陸上の短距離のホープである桐生選手が北米での記録会で、100メートルを9.87秒で走ったが、追い風が3.3mであったため、日本新記録としては公認されなかった。日本記録として公認されっる条件は追い風2.0m以下と規定されているそうだ。この記録を仮に風速が2mだったと仮定した場合、9.96秒に相当するとのこと。
3.3mの風が身長175cm、体重68kgの人間にも重大な影響を与えるのだから、風が軽量で空中を飛ぶサシバに与える影響は想像以上のものであろう。

ハルサシのピーク時にこうした天気予報がでることが、よくある。こうした天気の場合笛田公園には、まず絶対にサシバはやってこない。継続的に3m以上の南風が吹いたら、この場所での観察はあきらめるしかない。これに対し北風についてはかなり幅があるようだ。実際帽子が吹き飛ばされる風の場合は、サシバは見られないが、ぎりぎりであれば、十分チャンスがあるというのが、私の経験則?である。帽子が吹き飛ばされる風というと、6m程度だろうか?
こんな日に神奈川県でサシバは飛んでいないのか?それともどこかを飛んでいるのだろうか?病気をしてから、他にやることもなかったので、南風の日のサシバ探しの北帰行が始まった。過去10年位の間で、春にサシバを発見したのは、藤沢卸売り市場、境川遊水地、茅ヶ崎里山公園、引地川遊水地公園他数箇所(地名不詳)で、いずれも1羽ないし2羽であった。こうした未知の場所でサシバを探すのはとても楽しいことであったが、結果は満足できるものではなかった。むしろこれらの地域はどこを探しても1羽のサシバも発見できなかったというほうがスッキリするし、あたまの切り替えもしやすいのだが。まあスッキリしない問題が多すぎるが故に未だにサシバに執着しているのだろう。
最近県央のグループが秦野の菜の花台で、春に200羽を越えるサシバを観察しているが、南風が強く鎌倉では観察対象外の日でも、相当数のサシバがカウントされている。菜の花台を観察ポイントに選定されたことは素晴らしいことだと思う。ただ、菜の花台は鎌倉と並列するものではないということは注意する必要がる。渡りのルートを川に例えるならば、湘南平も菜の花台も鎌倉の上流にある。しかし湘南平を通過するサシバが100%鎌倉に向うとはいえない。逆に菜の花台を通過したサシバが鎌倉にやってくる可能性も絶対にないとは言えないのだろう。
南風でもサシバが渡っているということが、認識できたことは大きな前進だとおもう。しかしその他のことについてはまだまだ解明すべき問題が多く残されているようだ。
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4月2日(木) 晴
9:30−11:15 笛田公園。
初めは弱い北東風であったが、徐々に南風に変わってきた。桜は散りかかっていたが、思いのほか寒かった。9:47ハイタカが1羽見られたが、サシバはやってこなかった。
4月5日(日) 霧雨
11:30−12:30 笛田公園。サプラズといえばまさにサプライズである。天気予報を見ながら、こんな天気ではサシバは一体いつ渡るのだろうかと考えて、昨日の各地の観察記録を確認して見て驚いた。それは静岡で霧雨の中、338羽のサシバが観察されたという記録である。昨年の静岡の実績は5月も含めて、717羽、4月だけで581羽であるから、たった一日しかも観察条件が劣悪と思える日に、昨年の4月の実績の半分以上(58%)のサシバが観察されたということになる。こんなドラステイックな結果は私は長いことハルサシを観察していて記憶がない。なお静岡の観察記録を見ると10:00−14:00間に約30羽、残りは14:00−17:00の間に通過している。私は鎌倉ではサシバは午後は飛ばないという固定概念があるが、本当に正しいのだろうか?
この日の鎌倉もほぼ同じ条件であったので、あわてて笛田公園に行って見たが、既に11時を過ぎており、もっと早く気がついて、早朝に観察していたらと残念であった。トビは結構活発に活動していたが、サシバは1羽も見つけることができなかった。
4月6日(月) 晴
9:00−10:30 小雀公園
北風から徐々に南風に変わる予報であった。鎌倉市の最北部で観察してみようと、玉縄付近で場所を探したが、駐車できる場所がどうしても見当たらず、結局横浜市戸塚区の小雀公園で観察することにした。この公園は菖蒲園やホタル田などがあって、なかなか素晴らしいが、難点は急な山道を降りた場所に主要部分があるので、最近は殆ど利用していなかった。いずれにせよこの場所でサシバを観察するのは始めてであった。気象条件は悪くなかったので、多少期待して観察したが、やってきたのはカワウばかりで、トビやカラスも殆ど見られなかった。まあ10年間通えば、1羽か2羽のサシバに会えるだろうが、それ以上でもそれ以下でもなさそうだ。
4月9日(木) 晴
9:30−11:30 笛田公園
北風がやや強く、寒かったが、久方ぶりにサシバがやってきそうな日であった。しかしハヤブサやハイタカは見られたが、サシバは1羽も発見することが出来なかった。4月に入ってから、満足に観察ができた日がほとんど無く、今後の天気予報を見ても、あまり期待はできそうには見えない。あまり前例のないパターンの結末、ある意味とても興味深い?

4月10日(金) 曇
9:00−10:00 笛田公園
この日は雲が低くたてこめ、寒くて観察に身がはいらなかった。こんな日でもサシバは移動しているのだろうか?全く青空が見えない日にサシバを見つけるのは至難だと思う。
昨日は静岡を310羽のサシバを通過している。既に昨年の実績を越える881羽が観察されている。昨日は秦野ではサシバが見られなかったが、これまでに合計157羽が観察されており、順調と思われる。私は今年まだ2羽しかサシバに出会えないが、鎌倉全般では、ほぼ例年並みのようだ。
なお私は長いこと笛田公園でサシバを見てきたので、主のような存在で、もし他の人が、遠慮して観察を回避されているとしたら、とても不本意なことである。笛田公園は昔はとても魅力的な場所であった。最近は色褪せた感もあるが、正直私はその全貌を把握しているとは言えないし、今後ますます観察能力が低下していくだろう。
公園は誰のものでもなく、皆のものです。ですから遠慮は全く無用、サシバを愛する人が一人でも多く、この公園を訪れることを希望しております。


4月12日(日) 晴
8:30−10:30 笛田公園
予報では北東の風3mとなっていた。4月に入って一番の好条件と思われた。駐車場確保のため、8;30スタートとなったが、初めはかなり寒く、サッパリ集中できなかった。9;55と9:56相次いでサシバ各1羽が、定例コ^スのかなりの高空を通過して、太陽の下に出現した虹の中へ消え去った。なおこの日もハヤブサがなんどか出現した。
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長いことサシバを見てきたが、今年程、観察可能な日が少ない年は初めてのように思う。特に4月に入ってからが、惨憺たる有様だと思える。そんな状況なら各地とも、サシバはあまり観察されていなのではと思うが、それが全く反対で、静岡と神奈川の各地は極めて順調である。4月14日現在静岡では、昨年の約2倍の、1390羽が観察されているし、秦野でも、昨年実績を上回る250羽が観察されている。鎌倉でも全体数字は把握していないが、概ね順調のようだ。

サシバについては未だに本当にわからないことだらけである。最近静岡(平山農道、杉尾山展望台)、秦野菜の花台等の観察体制が整備されたことによる影響も多いものと思われる。7:30−15:30まで観察されている現地のスタッフの情熱、そして観察データをdiscloseしていただけることにより、多くのことを知ることができたことに感謝したい。
サシバの渡りはまだまだ5月まで続くだろう。しかし、秋の渡りに原初的な渡り行動があるといわれるが、春には逆に後発的なサシバの渡り行動(即ち繁殖に参加しないワカドリ・グループの渡り行動)とを一応区別して考えるべきではないかと思う。20羽を越える5月のサシバが観察されているのは県内では港南台だけだと理解している。もしかすると成鳥とワカドリは鎌倉周辺では別のコースをたどるのではないだろうか?4月が不完全燃焼なので、5月に観察を繰り延べる(そんなスタミナがあればの話だが)としたらどこで観察すべきだろうか?
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4月15日(水) 晴時々雨
10m近い南西風が吹いて、この日も観察不能。しかし午後からは晴れていたので、長谷配水地を訪問してみた。バイクで打越から、小さなトンネルを抜けて極楽寺方面から、回っていったが、最後の方は意外な急坂なのには驚いた。最後の民家の近くにバイクを置いて、急坂を登ったが、きつくて一苦労であった。やっと配水地に到達したが、観察ポイント?の桜の木のあるところまでは、右回りで行くのか、左回りなのかわからず、結局行き着くとこができなかったが、配水地のベンチに座って、素晴らしい環境を堪能することができた。こんな厳しい環境で、毎日観察されている皆様の情熱、体力には頭が下がる思いであった。
4月16日(木) 晴
10:00−11:00 秦野菜の花台
天気晴朗なれど、南風強し。こんな日希望が持てる場所として思い浮かぶのは菜の花台しかない。ヤビツ峠の途中にある菜の花台は、恐らく今までに何百回となく、行っているが、サシバ観察が目的で行くのは2回目である。現地に着くと、私も創設期にメンバーであった、ふれあい探鳥会の人が4,5名観察中であった。サシバとサーマルにかんする論文等で高名な池上さんに色々と興味深い話を伺いながら観察させていただいた。サシバは10:09,10:12,10:35に各1羽現れ、いずれも写真を撮ることができた。他にノスリが1羽、ツミが2羽出現した。

体調が今ひとつで、くたくたに疲れたが、久しぶりに有意義な一日を過ごすことができ、happyであった。
4月17日(金) 晴
10:30−11:30 江ノ島外防波堤
この日も8m前後の南風の予報であった。こんな日は、笛田公園はno chance。といって菜の花台まで行く体力はもうない。南風の日に南にいく、それは正気ではないとも思うが実は、極めてわくわくする選択でもある。勿論その前提にあるのは海上ルートの存在である。上記の地図は不鮮明すぎるが、静岡市より西にある御前崎あたりから、伊豆半島の先端にある下田、伊豆大島を経由して、房総半島の最先端に至るルートは、房総を経由して東北方面に至る、もっとも効率的なルートだと想定することができるのではないか?そして下田から先は、スケールはともかく、実際に飛ぶサシバが確認されている。鎌倉で観察している限り、東日本大震災による影響はなんら受けていないが、もしかすると東北方面に渡っていくサシバは海上ルートを通っているから、影響を感じないのではないか?
伊豆大島と江ノ島の距離は60kmであるが、もしかするとこの間に色々なドラマがあるのではないか?強い南風で、かつてオオグンカンドリがながされてきた外防波堤に、海上ルートを通過中のサシバがながされてきても不思議はないだろう。秋の渡り時に出現する「まぼろしのタカ柱」と称するものは、海上ルートのサシバである可能性が高いとのでは?などと考えているとあっというまに時間が過ぎてしまったが、結局この日も成果はなかった。


4月19日(日) 曇時々晴
9:00−10:30 笛田公園
久しぶりに初めのうちは期待がもてそうな天候であった。しかし、サシバの姿は見られず、10時を過ぎると南風を感じるようになってきた。日曜の公園はスポーツマンで賑わっており、野鳥の姿も声も聞こえてこなかった。

いつの間にか、公園のイチョウの木が緑色に変わっていた。
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5月のサシバについて
昨年の静岡の実績だと、5月に98羽のサシバがカウントされている。内訳は上旬に55羽、中旬に40羽、下旬に3羽となっている。1日から20日までが勝負のようだ。今年は今のところ昨年の倍のサシバが観察されているので、5月も200羽近いサシバがやって来る可能性はありうる。問題は鎌倉周辺に何羽やってくるのかである。
過去の実績で私が認識しているのは平成21年に港南台(円海山)で観察した人が15羽のサシバを5月に観察した記録である。鎌倉市内でも、5月にサシバを観察したという話は良くきくが、数的にはそれほど多くはないと思われる。私も何度か5月にサシバを見ているが、平成22年5月9日、KJGの例会で源氏山で1羽、数年前の5月2日、葉山の城ヶ崎海岸で1羽を観察したのが、明白な記録・記憶として残っている。

5月に渡るサシバは大半が幼鳥だといわれる。繁殖に参加しないこれらのグループは一足遅く、やってきて一足早く、帰っていくようだが、繁殖地において、ヘルパー的な要素を発揮しているのであろうか?野鳥の行動のなかに、まったく意味なものはないのだろう?渡りの主目的が繁殖であるとすれば、繁殖に参加しない幼鳥が、何の役割も無く、リスクだけ犯してはるばる渡ってくるとは私には考えにくい。きっとなんらかの理由、役割があるのだろう。琉球列島、南西諸島あたりには留鳥であるサシバが見られるが、越冬地にも留まるサシバはいるのだろうか?真っ直ぐ、真剣、一直線というのがハルサシのイメージだと私には思えるが、4月も中旬になり幼鳥の飛来が多くなると、右往左往しながら飛ぶサシバが散見できるようだ。このことはなにを意味するのであろうか?3月、4月に見られるサシバは繁殖地への到着を急ぐあまり、本来想定されているルートを離れて飛ぶものが多いが故に、広範に分散して飛ぶ傾向が見られるのではないか?これに対し、先を急ぐ必要のない幼鳥グループは想定された本来のルートを飛ぶケースが多いと考えることはできないか?港南台は明らかにそのルートの一つなのだろう。当然鎌倉にもそうしたルートがあり、もし、そのルートをつきとめることができれば、予想外に多くのサシバに出会うことが可能なのではないだろうか?
勿論これは机上の空論であり、とらぬたぬきの皮算用にすぎないのかもしれない。しかしもし健康がゆるすなら、私は最も可能性が高いと思われる源氏山山頂あたりで、まず3回ほど観察をしてみたい。そして1羽も飛ばなかったら、そこはコースではないと諦め、来年もし観察が可能であれば、また別の場所にチャレンジしてみる、そんな価値は十分あるだろうと思うのだが。
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4月21日(火) 曇
9:30−11:00 笛田公園。
風は弱かったが、青空は見られず、グレースケールの世界であった。珍しくイソヒヨドリのさえずりが聴こえた。常連のN氏と四方山話をしながら観察。サシバの気配は全くなかった。鎌倉時代にあった7つの切と通しとは名越切通・朝夷奈切通・巨福路坂・亀ケ谷坂・仮粧坂・大仏切通・極楽寺切通である。笛田公園がカバーしているのは、このうち大仏切通のみということになるのだろうか。
4月22日(水) 晴
9:30−11:00 笛田公園
青空で適度に雲もあり、風も弱く、4月に入って最高の条件に思えた。ガビチョウのけたたましい声が耳障りにきこえる、10:23サシバが1羽定番コースを高空で通過した。ひさしぶりに見るサシバ、陽光に燦然と輝いて、実に美しかった。
この日長谷配水地では15羽のサシバが観察されたとのこと。この時期の15羽は素晴らしい記録だと思える。
4月23日(木) 晴
10:00−11:00 笛田公園
この日も条件はそれほど悪くなかったので、多少期待して観察したが、全く成果はなかった。静岡は1542羽、菜の花台は318羽既に飛んでいる。ただ驚いたのは、両地点ともハチクマが1羽も観察されていないことである。一昔前まで、春も秋も鎌倉でもハチクマは相当数見られたが、最近殆ど見かけていない。準絶滅危惧種に指定されているようだが、絶滅危惧種であるサシバよりはるかに深刻だと思われる。
4月25日(土) 晴
9:30−11:00 笛田公園
初めは北東の風であったが、そのご除々に南南西の風に変わってきて、複雑な風になってきた。この日もN氏と一緒に観察。オオタカは見られたが、サシバは1羽も見られなかった。
4月26日(日) 晴
8:30−9:30 逗子大山林道入り口
久しぶりに昔一緒に三浦半島を歩いたグループに再会。晴天で、爽やかな天気であった。オオルリの声が聞こえていたが、私には聞こえず。補聴器を借りて、やっと聞こえた。こんなに聴力が落ちているとはショックであった。この場所は5月でもサシバが見られる可能性がある場所の一つだと思われる。しかしこの日は収穫はなかった。